1日で赤潮の見える化
(学生チームとのコラボによるIoTソリューションの導入)
このたび、『Tech-thon 2017』を支援して、 赤潮の発生検知について研究されている大阪府立大学&大阪市立大学の学生チームとコラボさせていただきました。
学生チームの研究課題は「赤潮モニタリングシステム」です。 赤潮に有機物を加えると酸化反応が起こり光を放出します。 この光の放出を利用して、光を検出するセンサで検知し、この計測した数値を見える化にするということでした。
この最後の『見える化』にするという工程をアルドネットがお手伝いさせていただきました。
1日で現場のIoT化
アルドネットチームは大学の研究所を訪問し、IoT通信機を導入してセンサをクラウドへ接続しました。 そしてカスタム画面の設定を行いセンサで検知されるデータをスマートフォン画面で表示すること (データの見える化)が実現しました。
この作業は一般的には数ヶ月かかる開発になりますが、 アルドネットのAMON® IoTプラットフォームを用いて設定のみで接続ができました。 今回の作業は合計して1日で完了することができました。
この見える化の実現により取得したデータをもとに、最大値・平均値などAMONの機能であらゆる分析を 行うことが可能になります。 通常では集計データなどは集計された翌日以降から表示ができるようになりますが、 AMONの魅力的なメリットは集計データもリアルタイム表示が可能ということです。 今後の研究開発に大いに役立てていただけることかと思います。
以下の文章は『東京大学 海洋アライアンス』 リンク (検索日:2018/1/10)より抜粋になりますが赤潮モニタリングの現状について書かれています。
(前略)しかしながら、そのモニタリング体制が高度に自動化されている例はほとんど無く、 かろうじて水温・塩分・クロロフィル(植物プランクトン現存量の指標)など基礎的な海洋環境パラメータの現場自動モニタリングがわずかになされている状況である。 例えば赤潮監視に重要な赤潮原因プランクトンの係数や分類、窒素・リン等赤潮の発生と密接に関連する栄養塩の濃度分析に関しては、 そのほとんどが調査船による定期的な現場試料採取と熟練した専門家による分析によって行われている。 そのため、海域モニタリングの頻度や密度を現状以上に向上させることは人手・予算の両面から極めて困難であり、 いずれにせよ例えば24時間体制の綿密な連続モニタリングは不可能に近いと言えよう。(後略)
このように現状が困難とされている中、学生チームの豊富な知識や研究の成果と、 アルドネットチームのIoT技術のコラボで予算面や人手不足を解消し、 さらなる発展に繋がるプロジェクトが生まれることを期待しています。
嬉しい結果を追記いたします。
特別奨励賞の受賞
『Tech-thon 2017』では見事に特別奨励賞を受賞することができました! そして学生チームから貴重なお言葉を頂くことができました。 出場が決まってから本番まで時間が短かったので、 本番のコンテストまでにプロトタイプの完成が間に合わないと思っていたそうです。 今回、賞を獲得できたのは『見える化』のおかげだという事で、 実際 会場の皆さまにリアルタイム表示ができるという事が伝わり、 完成品を見せることができたのは大きかったということでした。 大変喜んでいただくことができ、私たちアルドネットチームも大喜びでした。
これを機に水質汚染・赤潮問題に少しでも貢献できれば幸いです。
学生チームの声
不安に思っていたことはありますか?
11月末に発表する事が決まり1月10日本番までの期間がかなり短いので不安に思っていました。 年末年始を挟んでいるということもあって、会社とコラボしても 将来的にどんな事(もの)ができるかという話までは進んでも、 実際には物(プロトタイプ)ができない状態で紹介することになるだろうと思っていました。 まさか、本番までに完成できるとは思っていませんでした。
アルドネットの印象
明るく楽しい人達でとても良い印象を受けました。 「将来こんな楽しそうな職場で働きたいと思いました。」By 李さん
研究のきっかけ
学生のTuさんがもともと水質汚染をはかる研究をしていてビジネス化を考えていくうちに赤潮にしぼって研究することになりました。
Tech-thonのきっかけ
授業で既に行っていて11月末にお願いされてTech-thonに出ることになりました。 自分たちだけで研究・開発を重ねるより、 専門の方と一緒にすることによって視野が広がりとてもいい勉強になりました。
良かったこと
「計測している数値を見える化にする」という課題があがり、アルドネットにお願いすることになりました。 今回 賞を獲得する事ができたのは「見える化」のおかげだと思います。 発表の際に実際その場でリアルタイムで表示されていることが会場の皆さまに伝わり、 実際 お客様に見ていただくことができたのは大きかったと思います。
今後は府大と繋がりのある法人の協力を受けることができる予定で、活動を続けることができると話されていました。