AlldoNews 11:通信技術の話ーイノシシ捕獲大作戦
繁殖能力の高いイノシシの被害を減らすために奮闘する業者さんからのご依頼です。
生きたままで捕獲できると食用としても使うことができるそうなのですが、 かかっているかわからない罠を毎日確認しに行くにはコスパが悪すぎ、 かかっていても確認に行ったときには日が経ちすぎて死んでしまっているということが多いそうです。
罠にかかったのがすぐにわかれば無駄足にならず、且つ生きたまま捕獲することができる。 そんなわけでアルドネットに実験のご依頼をいただきました。
電気の通っていない山の中にいくつも罠を仕掛ける関係上、 電力源としては長持ちするバッテリーになります。 電線がないためLTE通信は使えず、通信距離の短いbluetoothも構造上に無理がある。 電力確保ができるのは2、3km離れたところにある道路上でとのこと。
山の中は障害物だらけのため、通信やIoT とは相性が良いとは言えません。 しかし一つだけ今回の条件にピッタリの通信技術が。 サブギガです。 消費電力も比較的小さく、障害物に強いという特徴を持ちます。 木や茂みがあってもそれらを回り込んで通信ができる。 距離はWiFiやbluetoothに比べると遠くまで届くものの、LTEと比べるとかなりの短距離になります。 しかし、今回は2、3㎞先の電力源のあるところを中継地点として利用できるためそれもサブギガで十分可能。
電力源のある中継地点まで来ると、障害物も減り、バッテリーの心配もないので LTEで捕獲情報をクラウドへ送れます。
クラウドに送られたデータは環境に応じてLTEまたはWiFiで携帯などの デバイスへ送られます。
あとはどの罠にかかったかわかるようにするためにGPSを組み込んでおくなどシステムを整え、無事解決することができました。
害獣として駆除されてしまった野生動物を食べる機会があることで自然保護への関心やゴミを放置しないなどの人間の義務、 自然への敬意などを考える機会も増えるのではないかと思います。
農家さんや日常生活での被害を減らすために、山の中というIoTには不利な場面でもあらゆる状況を確認し、 整理することで可能性をさぐり解決策を探す、 今回は通信手段をどう組み合わせるか、に着目した例となりました。
HPに通信技術の話を追加いたしましたのでぜひぜひご覧ください。
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